TATEYAMA
PROGRAM:Roof
AREA:64㎡
LOCATION:Tateyama
DESIGN: Yuta Shimoda, Yasushi Ikeda, Sei Hayashi(HUNE Architects), Yasushi Ikeda laboratory(The University of Tokyo)
DESIGN and CONSTRUCTION PERIOD:2023.9. - 2024.7
STATUS:Completed
下田悠太氏、池田靖史特任教授、東京大学池田研究室と共同代表の林盛が協働したリサーチプロジェクトです。NPO法人相撲リージョナル館山イノベーションから子供たちが雨の日も練習できる屋根の設計と施工を依頼されました。房総半島の先端に近いこの場所は温暖ですが風も強く、建築にとっては過酷な環境です。建設費は子供達の取り組みを支援するためにクラウドファウンディングで集めた寄付金のうち130万円ほどでした。テント膜構造や軽くて丈夫な炭素繊維補強樹脂材を製造するメーカーに協賛と協力をお願いし、予算の範囲で基礎の設置から建て方まで自分達の手で行いました。
このプロジェクトで私たちは屋根をできるだけ軽くするため、不使用時や荒天時は展開させて土俵を守るカバーとして伏せておき、使用の際に持ち上げて使うことのできる、展開可動な折り紙の屋根を考案しました。
これを可能にするために、折り紙とテンセグリティの類似性に着目しました。屋根のデザインは4つの山折りと4つの谷折りが中央の1点で交差する折りを基本形状としています。谷折り部分には鋼製単管パイプを登り梁として配置し、 山折り部はCFRPを弓なりに曲げた梁を配置することで、展開、折り畳み、変形の過程で膜材に常に張力が加わるようにしています。
山折りに引張力を、谷折りに圧縮力を導入することで、膜材の頂点付近の力が均衡します。脚部の4つのウィンチでワイヤーを巻き取ることでワイヤーが接続された構造体の四隅(単管梁の下端)が近づき、折り紙を折ったように構造体が立ち上がる仕組みとしました。
これにより、わずか2kg/m2の超軽量構造を実現しています。